そして、私はスパイダーマンになった。
そして、私はスパイダーマンになった。

そして、私はスパイダーマンになった。

私の右胸にはがんのしこりを切除した手術の際に
その後の放射線治療でしこりの位置を示すためのチタンが埋め込まれている。
手術前に執刀医から説明を受けて了承した。レントゲンやCTには影響がないとのこと。

このチタンさえ確認できれば、放射線治療は簡単に始まるものと思っていたけれど、違った。
16回の寡分割照射を始める前に位置決めのCT検査があった。
CT台に仰向けに寝て、2名の男性検査技師が照射位置を確認しながら、マーカーで印を
つけていく作業を受けた。約30分程度の間、身体を動かし、動かされながら黒、赤のマーカーで
右胸を中心に線が引かれ、私の上半身はスパイダーマンのようになった。

実は、この自分の姿を、私は最後まで鏡で直視できなかった。手術跡もそうなのだが、
コンタクトを外したぼやけた視界で、なんとなく見た。

マーカーで描かれたラインは首の根本まで伸び、Vネックのトップス、ワンピースを着た時は
ストールを首に巻いて隠した。

16回照射し続ける中でラインは上書きされ、消えないようにされた。
お風呂ではお湯を流す程度にして、冬場で汗もかかないのでこすらないように心掛けた。

痛々しいな・・・私。そんな思いを抱えながら照射に通った。

40年以上前、母親が左胸を全摘して放射線を当てていた時
同じようにマーカーで線が入っていたことを思い出した。

私はあの時母親の気持ちに寄り添ってあげていなかった。
自分の気持ちと向き合いながら、自分が情けなくなった。

きっと、これはその罰なんだ。
そんな風に思った。

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